JBCOの設立について

設立の背景

バイオテクノロジーは、20世紀後半から飛躍的な発展を遂げ、現代社会においてなくてはならないものになっています。そして既存の企業に加え、多くのベンチャー企業が創設され、事業の立ち上げに日々苦心しています。技術を礎とする新規事業開発には、特許と標準化が重要なツールとなりますが、バイオテクノロジーの領域では、他の技術領域に比べて標準の整備が遅れていることは否定できません。

今日では、遺伝子、タンパク質、細胞といった生体関連物質に関する計測技術が巷に溢れ、有用な研究ツールとして、大学等の研究機関や製薬・食品企業等の研究所で広く利用されています。しかし測定する場所によって、測定する人によって、測定する日によって、結果にばらつきがあり再現性が乏しいという報告をしばしば耳にします。測定精度に関する問題を克服しないと、バイオ計測技術は、研究分野よりもはるかに大きな市場規模が想定される産業分野での利用が進まないでしょう。これに対し今後は、バイオテクノロジー全般で国際的な取り組みが進み、国際標準化の形で解決が図られると考えられます。我が国もこの流れに積極的に関与していく必要があります。

一方、バイオ産業の育成に国際標準を有効に活用するためには、規格適合性認証のスキームが必要になります。それには、バイオテクノロジーに関する標準の認証機関が不可欠です。また標準に関する教育や、出版物の頒布、標準物質の製造や頒布を行う機関の存在も必要となってきました。

設立の目的

私どもは、バイオテクノロジーに関する国際標準を日本のバイオ産業の育成に活用するため、業界を支える企業に対して製品・サービスの認証業務を提供し、以て国内企業の国際競争力強化と国民生活の質の向上への一助とすることを目的として、JBCO(日本バイオテクノロジー認証機構)を設立しました。

併せてJBCOは、国際標準をベースとした企業活動に不可欠となる教育や出版、標準物質等の頒布を行うことも目的としています。